防災のプロに学んだ話(前半)
こんにちは、かっちゃんです。
先日、防災士の資格をとるための講座を受けてきました。とても面白いお話ばかりで、また多くの人に知っておいてほしい内容がたくさんあったので、自分の頭への定着も兼ねて、ブログに残しておこうと思います。
【防災士って?何のためにとるの?】
地域防災のリーダーを育てることを目的とした日本防災士機構による民間資格です。個人的に、ゆくゆくはそういう役割を担うことも視野に入れながらも、まずは自分自身と、周りの大切な人たちの身を危険から守ることを目的として、資格を取得しようと思いました。
【どうやってとるの?】
座学(レポート + 講座の受講 + 試験)と、実技(消防本部または各自治体の消防署が実施している救急救命講習の履修)を終了することにより、認定されます。
座学はレポートのための自習が2週間程度、講座が2日間、講座の最後に試験、です。実技の方は、日程が合わずまだ受けておりません。
【最初にびっくりしたこと】
講座の中で紹介されていたのですが、政府の中央防災会議・防災対策実行会議が去年(平成30年)の12月に発表した 報告書には国民に向けたこのようなメッセージ(P.35参照) が盛り込まれています。該当箇所を以下に転記します。
去年夏の豪雨災害に際して、行政の出す避難情報が殆ど有効活用されなかった実態を踏まえてのものですが、的を得たメッセージだと個人的には思いました。
<国民の皆さんへ ~大事な命が失われる前に~>
- 自然災害は、決して他人事ではありません。「あなた」や「あなたの家族」の命に関わる問題です。
- 気象現象は今後更に激甚化し、いつ、どこで災害が発生してもおかしくありません。
- 行政が一人ひとりの状況に応じた避難情報を出すことは不可能です。自然の驚異が間近に迫ってきているとき、行政が一人ひとりを助けに行くことはできません。
- 行政は万能ではありません。皆さんの命を行政に委ねないでください。
- 避難するかしないか、最後は「あなた」の判断です。皆さんの命は皆さん自身で守ってください。
(中略)
- 「あなた」一人ではありません。避難の呼びかけ、一人では避難が難しい方の援助など地域の皆さんで助け合いましょう。行政も、全力で、皆さんや地域をサポートします。
「自助」「共助」「公助」の「公助」は、今やもうあてにしてはならない時代がすぐそこまで来ているということです。「皆さんの命を行政に委ねないで」と。ここまで政府がはっきりと明言していることに対して、少しびっくりしたのですが、よくよく考えれば、実態を反映した至極全うなメッセージだと思いました。
これで「自助」も「共助」もなかったら、災害時にどんなことになるでしょう。僕自身も含めて、多くの人にとって災害は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」であり、優先度でいくと後回しの事項です。
見なかったことにする。
そんなことは起きない、と決める。
そしたら何も考えなくてすむから。
そうやって先送りされている。
いざことが起こったとき。
あなたは自分を守れますか?
大切な人を守れますか?
日常防災とは「ことあるごとに思い出すこと」だと講師の方が仰っていました。そのとおりだと思います。
【地震についての学び】
① 地震の予知
例えばですが、両手より大きいぐらいの、水分を含んだ土の塊を二つに手で割ろうとした場合を想像してほしいのですが、手に力を入れていくと、端っこのほうが少しずつ割れ始めて、更に力を入れていくと、あるポイントを超えたところで真ん中からパカッと割れたりしますよね?(しますよね?)(しますよね?)(するって言ってw)
そんな感じで、周辺部(北海道東方沖や千葉県の南東沖)で、最初にひびが入るかのように小さな地震がぽつぽつと起こり始め、次第に青森・岩手沖や茨城県沖で中程度の地震が頻発するようになり、一か月の間に、その数 100 だったか、200だったか(失念!・汗)の地震が北海道沖から千葉県沖に広く分布しながら発生。そして、3月9日の前震(最大震度5弱)が起こり、3月11日の本震。
…といった感じで、本震に至る過程を立体的・かつ時系列に見ることができて、何に驚いたかというと、
「こんなにはっきりとした予兆があるんやん!」
ということです。
その立体動画は講師をしてくださった元・京都大学総長の尾池和夫さんが研究で作ってらっしゃった動画でした。(確か)
「地震は予兆を把握できる段階にあって、気象庁にそれを広報するためのマニュアルが無いだけ」なんてご発言もあったような、なかったような...(汗) 防災に興味をもって、日々の地震の分布をチェックしていれば、巨大地震の予兆はある程度把握できるのかもしれない、と講座を聞いて感じました。
で。これ、、日本だけの尺度だそうです。まじか!
世界基準は12段階で 1~12 だそうです。だから外国から観光で来られてる方に、例えば震度5の地震だと伝えるときには
an earthquake with an intensity of five
の後に
on the Japanese scale of one to seven
と付け足すと、とても正確な訳になるようです。
これに対して「マグニチュード」は、断層破壊の大きさを表す尺度で、世界的な基準のようです。
あれ、テレビやラジオの発表を待つまでもなく、揺れている最中におおよその震度とマグニチュードは分かるそうです。
震度6弱以上になると、人間は自分の足で立つことが不可能になります。
自力で立っていられない地震が来た → 震度6弱以上です!
で。マグニチュードは、揺れが続く時間によって大体わかります。
阪神大震災(M7.3)の時の断層破壊の面積は横浜市の面積程度で、揺れは10秒から15秒程度です。
東日本大震災(M9.0)の時の断層破壊の面積は北海道全体の面積程度で揺れは2分半ほど継続しました。
目安として、ですが、地震が1秒続くと2kmの岩盤の割れ。10秒続くと20kmの岩盤の割れ、100秒続くと200kmの岩盤の割れ、だそうです。
そして、100秒も続くような地震が来て、それが海の近くであるならば、津波が来ること前提ですぐに避難をしなければならないということです。
まとめると、自分の足で立っていられるか、揺れがどれぐらい続いたか。この2つの尺度で、おおよそ何が起こっているのかは、情報の発表を待たずしても把握することができる、ということです。
④ 揺れを感じたか、感じなかったか
A「昨日の夜9時ごろ、地震あったよね?家、だいぶ揺れたわー。」
B「え?そうなん?おれも家におったけど全然わからんかったわ。」
こんな会話があったとします。
これって、Bさんが鈍感なだけ?
いやいや。。その可能性も否定はできませんが、これはAさんの住んでいる家の方が揺れやすいという可能性が高いと見なければなりません。
気の悪い話だとかそういうのは置いといて、事実をまずは把握することが防災の観点からはものすごく大切になります。
その地域の地盤がもろいのか、家自体の問題なのか、はありますが、Aさんが防災意識の高い人であれば「うち、ひょっとしてやばい?」という感覚を持つのが正解ということになります。
⑤ 地盤マップ
講座の中でお役立ちツールとして紹介されていたものですが、今自分が住んでいる土地の地盤に関する情報を、事前登録なしに誰でも確認することができます。
ちなみに僕の住んでいる場所は「揺れやすく」「液状化の可能性が高い」地域でした・泣
防災意識がちょっと上がりました。。
(後半へ続く)
※※※
僕自身が防災に興味をもったきっかけは、防災をテーマとして地域が共生できる社会を作ろうという活動をされている人たちに触発されてのことでした。
防災のためにかばんの中に水中メガネを入れて持ち歩いている僕の師匠...。
何のために水中メガネ?
万が一の火災の時に煙が目に入らないようにするためです!
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